場違いなお客様

標高1000m、深い森の入り口に白いスポーツかーが地べたを這うように上がってきた。
山道のガタガタでこぼこ道、さぞ下を擦ったに違いない。
こんな山に似つかわしくない車だ。

降りてきた若いカップルは、マップの前で話し込む。
散策路を検討しているんだろうか。
ふと見やると、女の靴がまたこの山にはあるまじきものだった。
10数センチはある厚底サンダル!
あの靴では散策路の木道や階段で転ばないか心配だ!
しかも、木陰にもかかわらず、日傘をずっとさしている。
歩くときは傘はたたんで、両手をフリーにしたほうが安全だぞ。
伝えなければ、と待っているが、いっこうに入ってこない。

肩からはピカピカエナメルの小さなショルダーバック。
スレンダーな彼女と、まだ高校生のような男はいつまでもマップの前で話している。
マップを見ているわけではなく、ただ二人の会話をいつまでも楽しんでいるのだ。
学校帰りの高校生か大学生のカップルのようなものだ。
遠路はるばる、この離島まで来て、森には入らず、巨木も見ず、また車に乗って、下山していった…
何しに来たんだろ…(^_^;)))
夏にはこんな場違いな客が、ボチボチ来る。
その横をバリバリのトレッキングスタイルで、半日の散策にその装備いる?!という無駄に気合いのは言った人たちが、迷いもなくやって来た。

玉石混交(^_^;)))