2019-02-20 雨水の月 月明かりはモノクローム彩度を失い、青白い光に照されて、陰影だけが輪郭を刻む夜の世界 雲の形が空に透けている 森の木々は黒く、草木はシルエットが浮かび上がる 虫の音が遠く響く こちらも息をひそめて、香りをかぐ どこかで嗅いだことのある香り、いい香り、密かな香り 夜の世界は、外の世界が、自分の中の世界に、より語りかけてくる、 そんな気がする昼間とは違う世界 同じ場所なのに 同じものがそこにあるのに 別の顔 でも、誰も驚かない 夜は夜、昼は昼 こんなにも違うのに、同じものだと認識している