恋がしたい。恋がしたかった。恋をした。

仕事に全力投球してる間は、別に必要としなかった。
チャンスもめぐってこなかったし、そんな気にもならなかった。
でもほんとはたぶんしたかった。


仕事やめるとき、好きになってしまった人がいて、とても好きになってしまって、仕事をやめる苦しさから救ってくれたのはその人だった。
タンポポの花のような、あたたかな春の黄色の光に包まれて、些細な日常がとても幸せに思えた。

いざ、恋にどっぷり浸ろうとしたその瞬間、壊れていった。
会えないこと、遠ざけられること、苦しくて、悶絶した。
氷の炎に焼かれるようだった。
身悶えて、慟哭して、でも恐ろしく冷たい。
悲しい怒り。
誰にも言えず、逃げだすよに、別天地へ。
ある意味救いだった。
新しい街は刺激に溢れ、苦しみから目をそらし、時も経ち、一進一退をしながらも、もとの生活に戻ることもできるほどに復活した。

一緒に仕事をする機会があったけれど、衝突激しく、とても辛い仕事になった。
なぜあんな仕打ちだったのか、今もそのわけを聞きたい。
それでも、見放すことができず、苦しみながら支えた。仕事はなんとか無事終了したが、納得いく詫びも感謝の言葉もなかった。けなされて、バカにされて、苦しいのに気にもかけてもらえず、ここまでしたのにありがとうもいってもらえなかった
仕事の愚痴と称して、その人のことを罵詈雑言文句を正当に言うことができた。
たぶん失恋の痛手の分もここでぶちまけて、消化した。
恋は盲目、あの人ほど素敵な人はいないと思っていたけれど、この一件で自分の目も覚めたし、他の人からの評判も耳に入り、大分冷静になった。

私がしたかったことは、、、
仕事と言う名目でまた会えることを楽しみにしていた。ほんとは仲良くしたかった。信頼されたかった。怒り狂っていたけど、ほんとは仲良くしたかったのに、それができず怒ってしまった、ということが、掘り下げたら出てきた。
そして、それを伝えた。
もうこれでよし。仲よくできようができまいが、私のしたかったことが自分でもわかって、伝えた。そしたら、執着が薄れた。


失恋の痛手は次の恋で癒すもの。
前向きになれた。

恋を求めてたわけではないけど、人生の解決の糸口と言うか、新しい活路というか、何かのきっかけがほしくて、外に飛び出した。
そしたら、恋が始まった。普段会う人ではない。
でも、とてもいいアドバイスをくれたり、愚痴を聞いてくれたり。その世界で活躍されていて、そんな人が私を気にかけてくれるのも、とても嬉しい。

その前にもひとつ、この悶絶の夏にまた来訪した旧友。ずっと思いを伝え続け、断られ続けてきた彼に、夏の勢いでいつもより押しした。けして一線を越えることなどなく、またいつものように、曖昧に友達のまま、と関係の発展は本気にしていなかった。ら、どうも本気になってくれていたようで、先のことを考えてくれていたのを後に知り、嬉しく思った。


ひとつの恋の残影と二つの新しい恋が同居していた。
何もないときの方がえらく長いのに、やる気だしたら、こんなもんですよW
でも、そんな器用じゃないから、全部うまくいくはずもない。本気になれないし、壊れるときは壊れる。

また一人か、と思ったら、大好きなあの人が帰ってきた。
どうして?
まだ気まぐれかもしれない。
あのときほど夢中にはなれない。ならない。
本当に難しい演習問題。

今したいことは恋?
それとも、生きる道?
できることなら、両方手に入れたい。