苦しみの果てに

悲しいことがあったとき、聞いてくれてた人が、みんないなくなっちゃった。
私だけひとりぼっち
魔法の言葉を唱えても、いつ利くの?
なんでこんなに悲しいの?
人と比べて、隣の芝生が青い
自分の未来が暗い
好きな人はそばにいてくれない
そばにいてほしいとも言えない
雪が降り積もるように悲しい
ワクワクすることもない
すぐ消えてしまう
やりがいもない
やりつづける元気もない

今朝の怒りは、今悲しみに変わった

何度もこんな悲しみを、確か乗り越えてきた
風邪みたいなもんだ
渦中に落ちていくとき、毎回どう対処するのか思い出せず、もがく
もがいてるうちに、ちゃんと抜け出してきた。
何度もやり直してきた。
大丈夫 大丈夫 大丈夫
車から苦しくて電話したこともある
大丈夫って唱えなさいって、車の運転気を付けてって、言われたあのときも
ちゃんと抜け出した。
人から見える幸せも成功もしてないけど
誰よりも苦しんでもがいて、たくさん成長してきて、ゴールにはたどり着いてないけど
この螺旋階段、たくさん登ってきた。
山は右肩上がりじゃない。
登ったと思ったらまた降りて、苦しい登りがあって、たまに風通しのいい尾根筋があって、見晴らしのピークは寒くて、長居できなくて、また帰ってくる。

あの花が見たい。
無理と思った岩の上に、あると思ってなかったのに立派な株があった。
時が止まった。
超興奮した。
ドキドキした、振り返ったら君がいた。
また会いに行きたい。
今は凍てつく氷風の中、岩の隙間に細身の葉で辛さを受け流し、その冬をきっと耐えてるね。
花の盛りだって、誰にも知られずに、ただ太陽を受けて、来訪者を静かに待って、時に食われちゃったりしながら、ずっとそこに居るんだよね、逃げることなく、あの岩の上で、凍えてるのかな。
でも、死なない。
私の花 青紫の高嶺の花 命の灯火 螢火よ
あなたを思って、今正気を取り戻しました。

会いに行くよ、高嶺の竜胆
どうか、私を導いて